Q:「病気・ケガ」に備えて、医療保険は必要?
A:医療保険は不要です!
(※公的保険・貯金があればOK)
はじめに、簡単に自己紹介。
僕は
と、わりと「医療・保険・家計」に詳しいです。
なので、今回の医療保険の話も参考になるかと。
どうして医療保険が不要か、理由はシンプルで
- 「公的保険」で、月の医療費は最大10万円で済む。
- つまり、「貯金」が100万円ほどあればカバーできるから。
これだけです。
医療費は「人生終了」レベルの損失じゃないので、不要と判断できます。
必要な保険の見分け方は、以下の記事が参考になります。
「生涯数百万円レベルで得する」
と保証します。
もくじ
僕たちみんな「世界最強の保険」に加入済み
日本は「国民皆保険」なので、公的な医療保険にみんな入っています。
だから、毎月の給料から「健康保険料」が天引きされてますよね。
その額、ざっくり月1万5,000円くらいなので、年間20万円!
民間の医療保険に入らずとも、すでに結構な保険料を払ってますね…
そしてこの日本の公的保険は、実は「世界最強の保険」なんです。
すでに世界最強の保険に入ってるんだから、民間のザコ医療保険は不要というわけ。
自己責任の国アメリカだと、貧乏で医療保険に入ってない人が2,750万人もいるそうです。
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公的医療保険の保障内容、理解してる?
「日本の公的保険が世界最強!」と言われても、いまいちピンと来ないかもですね。
おそらく原因は、「病院で自己負担が3割になる」くらいしか知らないから。
高い保険料を払ってるんだし、しっかり内容を把握してフル活用できるようにしましょう!
最低限知ってほしいことは3つだけ。
- 「必要最小限・平等」が理念
- 自己負担は原則3割
- 自己負担額には上限がある
なるべく分かりやすく解説していきます。
[1]「必要最小限・平等」が理念
意外と知られていないのが公的保険の理念、つまり存在意義ですね。
- 必要最小限
- 平等
の2つがポイントです。
必要最小限
「必要最小限」なので、以下は保障対象外です。
- 先進医療
- 治療目的ではない医療行為(美容整形・レーシックなど)
- 保険対象外の医薬品
- 差額ベッド代(病院の個室)
つまり、過剰な医療は自費診療ってこと。
《先進医療へのよくある誤解》
先進医療は「最先端の画期的な医療」…ではありません!
「保険適用にするか検討中の、効果があるか分からない医療」のことです。
(効果があると認められた先進医療は、順番に保険適用になります。)
決して「お金持ち専用の病気が治る可能性が高い最新技術」…とかじゃ無いのでご注意を^^
平等
「平等」というのは
- フリーアクセス(全国どの医療機関でも、自由に受診できる)
- 職業・所得などで、治療を断られない
- もちろん、治療費も全国で同じ
ってこと。
良くも悪くも、市場原理が働いていないのが日本の医療業界です。
アメリカだと、お金を払うほど
- 良い病院
- 腕の良い医師
に治療してもらえるのが当たり前です。
※日本の医療での当たり前は、だいぶ特別ってこと。
[2]自己負担は原則3割
病院での治療費・薬局での薬代などが、窓口負担で3割の自己負担になります。
ここまでは知ってると思いますが、この自己負担の金額にも上限があるってご存じでしたか?
[3]自己負担額には上限がある「高額療養費制度」
たとえば、入院・手術をして月に100万円の医療費がかかったら、普通に考えると窓口での自己負担は30万円になりますよね。
でも、上限が設定されているので実際は10万円ほどで済みます。
これは「高額療養費制度」のおかげです。
《高額療養費制度とは》
- 月の医療費(1日~末日まで)が高額になった場合
- 自己負担限度額(上限金額)を超えた分が、払い戻される制度
上限である自己負担限度額は、年齢・収入水準によって変わります。
※総医療費:10割負担の金額
※多数該当:診療を受けた月以前の過去1年で、3ヵ月以上高額療養費の支給を受けた場合の、4ヵ月目からの自己負担限度額がさらに軽減される。
ちょっとややこしいので具体例で説明すると、
- 年収500万円(表の真ん中)の人が、月に総医療費100万円の治療を受けたとき
- 自己負担限度額は、およそ8.7万円なので
- 窓口で30万円払っても、後で差額の21.3万円が返ってくる
という感じ。
前もって医療費が高額になると分かってるなら、役所で「限度額適用認定証」の交付を受けておけば、最初から自己負担限度額だけの負担でOKになります。(先ほどの例だと8.7万円)
あとで返金されるとはいえ、申請などでタイムラグがあるので、一時的なキャッシュアウトも不要になるのは素敵ですね。
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まとめ:公的保険・貯金があれば、医療保険は不要
「高額療養費制度」のおかげで、いくら医療費がかかっても貯金100万円ほどあれば、生活は破綻しません。
医療保険は入院・手術をしたら「お金がもらえるだけ」なので、貯金で備えがOKなら医療保険は不要です。
保険は、知らないだけで大損する
この記事で紹介した、公的保険の素敵な制度を知らない人から、不安を煽られて民間保険に加入し、大事なお金を無駄にしてしまいます。
それぞれの認知度は
- 高額療養費制度:68.9%
- 限度額適用認定証:35.6%
と、決して高いとは言えない。
※全国健康保険協会の調査より
保険の営業マンは、自分に不利になる高額療養費制度のことなんて教えてくれません。
このように、保険に加入すべきかは自分自身の頭で
- 心配している病気のリスクがどのくらいか数字で知って
- 公的保険のカバー範囲を学んだ上で
- 貯金だけで備えられるか
- 追加で民間保険が必要なのか
これらを考えていかないと、「保険に入ってもまだ不安…」って状況から抜け出せなくなります。
冗談抜きで、保険は知らないと生涯で1,000万円も損する可能性があるので、他の記事でも学んでいって下さいね。