Q:「インデックス投資(つみたてNISAなど)」でお金を増やしてから、「高配当ETF」に切り替えて、配当金生活をするのは良い方法か?
「インデックス投資」の方が「高配当ETF」よりリターン効率が良いなら
- 「インデックス投資」で資産を最大化して、
- 「高配当ETF」に切り替えて配当金生活をする。
のが、資金効率が良いのではないか?
という疑問に答えます。
A:机上の空論なので、オススメしません。
主な理由としては、以下のあたり。
- 「インデックス投資」の出口戦略は、確立されている【4%ルール】
- 「インデックス投資」と「高配当ETF」は目的が違う
- 「インデックス投資」と「高配当ETF」は両立できる
今回の疑問は、インデックス投資の『出口戦略』がよく分かっていないのが原因です。
この記事で出口戦略について知りつつ、改めて自分の投資の目的・手法がマッチしているか、振り返りましょう。
僕は、つみたてNISA・高配当ETFともに「SBI証券」を使っています。
「インデックス→高配当に移す」よりも優れたプランは、以下の2つ。
- 「インデックス投資」「高配当ETF」を並行する
- 「インデックス投資」だけをやる(iDeCo追加もOK)
僕は①を実践していますが、(リアルの知人含めて)多くの人には②を勧めます。
もくじ
「インデックス投資」の取り崩し方法は確立されている【4%ルール】
インデックス投資の出口戦略には、『4%ルール』という確立された方法があります。
それと比べたら、「一気に高配当ETFに乗り換える」なんて愚策すぎ。
4%ルールは、『ウォール街のランダムウォーカー』という、投資界隈でものすごく有名な本でも紹介されている出口戦略です。
“4%ずつ取り崩していく” と聞けば、単純計算で25年で資産が枯渇しそうな気がしますが、そうはなりません。
15~20年以上の投資期間があると、全世界株式のインデックスファンドで平均年利5%くらいが期待できるので、4%ずつ取り崩していっても資産は減らない、むしろ増えることだってあるんです!
「トリニティ・スタディ」という有名な研究でも、過去データから4%ルールが検証済です。
ざっくり結論として、株式50%・債券50%のポートフォリオなら
『96%の確率で資産が30年以上持つ』
※むしろ30年後に元本以上に増えていることもある
という感じです。
このように無敵感のある4%ルールには、2パターンあります。
- 【定率法】毎年、資産残高の4%を定率で取り崩す
→暴落時の取り崩し額が少なくなるので、資産が長持ちする - 【定額法】毎年、引退時資産額の4%を定額で取り崩す
→キャッシュフローが一定なので管理しやすい
どちらも一長一短なので、完全にどっちかで固定せず、ある程度は柔軟に取り崩していけばOKですね。
特に、「暴落時期に売らない」などの工夫をすれば、トリニティ・スタディの結果より長持ちするのは必至。
インデックス投資の出口戦略は、「4%ルール」で解決!
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「インデックス投資」と「高配当ETF」は目的が違う
- インデックス投資:資産の最大化・老後資金
- 高配当ETF:キャッシュフロー・FIRE資金(若いときから使える)
このように、「インデックス投資」と「高配当ETF」は投資の目的が違います。
投資では、”自分の軸をぶらさない” ことが重要です。
自分の投資目的を書き出してみて、それに合わせた方法を選ぶのが大事なんですね。
- 資産を最大化したいのか
- キャッシュフロー(配当金)が欲しいのか
- 老後資金なのか
- FIRE資金(若いときから使う)なのか
このあたりが決まっていないと、自分に合った投資法は選べません。
もし、定年まで働くつもりで、すぐにキャッシュフローが必要ないなら、『インデックス投資で資産を最大化しつつ、iDeCoもプラス』することで、老後資金を安泰にできます。
僕はFIREを目指しているので、老後まで資金拘束されるiDeCoは活用していません。
インデックス投資(つみたてNISA)を基盤にしつつ、それ以上の投資資金は高配当ETFに回しています。
このように、自分の目的に応じて
- インデックス投資(つみたてNISA) + iDeCo
- インデックス投資(つみたてNISA) + 高配当ETF
を選べるようになると、完璧ですね!
自分の投資目的に合わせて、「インデックス投資」「高配当ETF」を選ぼう!
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「インデックス投資」と「高配当ETF」は両立できる
先ほど僕は「インデックス投資(つみたてNISA)を基盤に、高配当ETFもやっている」と述べました。
つまり、インデックス投資と高配当ETFは、無理に片方を選ばなくていいんです。
“百聞は一見に如かず” と言いますが、投資では “百見は一体験に如かず” の方がより表現として正確。
どれだけ知識を仕入れたところで、実際に自分のお金で運用してみないと分からないことの方が多いんですね。
だから、気になるならとりあえず両方ともやってみましょう。
そうして実際にやるうちに、自分には合わないなと思ったり、価値観が変わったりしたタイミングで、一方に絞るなりすればいいかなと。
それぞれには、それぞれの良さがあることが、経験を通じて学べると思います。
どっちか悩むくらいなら、少額から両方やってみよう!
「インデックス→高配当に移す」よりも優れたプラン2つ
「インデックス投資で増やす→高配当ETFに移して配当金生活」がイケてない理由を解説してきました。
イケてないのは分かったけど、じゃあどんな投資をすればいいのさ?
という声が聞こえてきそうなので、ここからはより優れた投資プランを2つ紹介します。
- 「インデックス投資」「高配当ETF」を並行する
- 「インデックス投資」だけをやる(iDeCo追加もOK)
①「インデックス投資」「高配当ETF」を並行する
最初から両方を並行するプランです。
「インデックス投資」で老後対策、「高配当ETF」で現在のキャッシュフローを強化してFIREも可能、って感じですね。
具体例としては、以下の通り。
- インデックス投資:つみたてNISA上限まで、全世界株式ファンドで運用
- 高配当ETF:アメリカのETF(VYM・HDV・SPYD)を定期&スポット買付
ただ、この方法だと高配当ETFのスポット買いが必要になので、投資関連のことを自然と調べてしまうような(若干投資マニア寄りな)人じゃないと難しいかなというのが正直なところ。
僕は毎日投資のことを考えていても飽きないような変態なので大丈夫(?)ですが、普通の人だと他にもっと優先したい趣味や家族との時間がありますよね。
なので、「投資のことは最低限だけやりたい!」って人には、以下で紹介するプラン②がオススメです。
FIREしたい & 投資マニアに片足を突っ込んでいる人は、
[インデックス投資(つみたてNISA) + 高配当ETF]
の二刀流がマッチするかも!
②「インデックス投資」だけをやる(iDeCo追加もOK)
純粋に、インデックス投資だけやるプランです。
高配当ETFはアクティブ投資なので、投資に興味があって、自然と情報を集めたり勉強してしまう人じゃないと難しいです。
なので、あえて切り捨ててしまうのも作戦としてGOOD
具体的には、つみたてNISA・iDeCoを満額まで積立設定するだけ。
投資についての勉強を必要だから頑張ってみたけど、「実際あまり楽しくないな…」と感じているなら、投資よりもっと楽しいと感じることに時間を使うべき。
幸いなことに、インデックス投資(つみたてNISA + iDeCo)は、
- 誰でもやるべきことは同じ
- 勉強・手間は、初期設定まででほぼ完了
- リターンはプロ投資家の平均点を取れる
というように、数ある投資法の中でも手軽さの極みです。
投資の勉強が楽しくなくて、FIRE狙いじゃない(普通に定年まで働く予定)なら
[インデックス投資(つみたてNISA + iDeCo)だけ]
で、手間・リターンが最高コスパになります!
まとめ
Q:「インデックス投資(つみたてNISAなど)」でお金を増やしてから、「高配当ETF」に切り替えて、配当金生活をするのは良い方法か?
A:全然ダメです。
主な理由は以下
- 「インデックス投資」の出口戦略は、確立されている【4%ルール】
- 「インデックス投資」と「高配当ETF」は目的が違う
- 「インデックス投資」と「高配当ETF」は両立できる
インデックス投資の出口戦略は4%ルールがイケてるので、わざわざ他の方法を試す価値はありません。
自分の投資目的によって、インデックス投資・高配当ETFを選ぶべきですが、両方ともやっても特にデメリットはないので、悩んだら少額からどっちもやってみるのがベスト。
つみたてNISA・高配当ETFともに、好きなタイミングで撤退可能ですが、iDeCoは一度資金を入れてしまうと原則老後まで引き出せないので要注意!
インデックス→高配当に切り替えるより、優れた投資プランも2つ紹介しました。
- 「インデックス投資」「高配当ETF」を並行する
↑投資の勉強が楽しい・FIREしたい人向け(僕はこっち) - 「インデックス投資」だけをやる(iDeCo追加もOK)
↑投資の勉強は最低限だけでいい・FIREするつもりもない人向け